ピンホール式試験機

複合材料で使用する炭素繊維・ガラス繊維と樹脂の界面せん断強度などを単糸で試験するピンホール式試験機を東京大学との共同研究で開発しました。

ただいま販売中です。お問い合わせはこちらから。

また、お客様から提供された樹脂と繊維の界面せん断強度計測を承ります。詳しくはこちらをご覧ください。

試験の概要

1. ピンホールに樹脂を充填する

径150ミクロン、深さ200ミクロンほどのピンホールに樹脂を充填します

SFT概要1

2. 樹脂中に繊維を埋め込む

樹脂中に任意の長さで繊維を埋め込みます

SFT概要2

3. 繊維を引抜き、最大応力と埋込深さから界面せん断強度を計算する

繊維が完全に引き抜けるまで荷重を計測し、最大荷重と埋込深さから界面せん断強度を求めます

SFT概要3

試験の特徴

1. さまざまな樹脂や繊維で試験可能

ピンホールに樹脂を充填するため、低粘度の樹脂を含むさまざまな樹脂や繊維で試験可能です。
これまでPP、PA、PES、PEEK、エポキシなどの実績があります。
装置のヒーターは400°Cまで加熱可能ですので高融点の樹脂も扱えます。

2. 界面剥離過程の詳細を分析可能

荷重変位曲線から、どのように剥離が進むかの情報が得られます。

下のPEEK/CFの荷重変位曲線で、Aの区間は樹脂が弾性変形をしています。Bでは傾きが少し緩やかになっていますが、ここでは塑性変形していると考えられます。
最大応力に達した点で界面破壊が発生して応力が大きく落ち、その後Cの区間で界面摩擦によって荷重が発生しています。荷重が0になった点の変位が実際に埋め込まれていた長さです。

この荷重変位曲線では、樹脂が塑性変形していることから繊維と樹脂の接着力は十分強く、せん断強度を決めているのは樹脂の強度と判断できます。

SFT計測例2
PEEK/CFの荷重変位曲線例

一方、PP/CFの場合は変曲点が現れる前に最大応力に達して界面が破断しています。
この場合、繊維と樹脂の接着力は塑性変形前の樹脂せん断強度より弱いと考えられます。

SFT計測例3
PP/CFの荷重変位曲線例

3. データ再現性が良好

ばらつきが少なく、一般的な素材でCVは10%程度です。 そのため、さまざまな素材間でのデータも比較可能です。

SFT再現性
PA6/CFでのデータ例(N=5)

他方式との比較

比較

試験機

試験で必要なハードウェアとソフトウェア、治具一式がまとまっています。

また、オプションのソフトウェアで他の試験を追加することもできます。

ピンホール式試験機

基本機能

オプションソフトウェア

受託計測

諸事情により一時的に受付を停止しております。(2024年11月29日更新)

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